【鉄道転職】駅員の1日(徹夜)を現役の運転士が徹底解説!(※同期の駅員に聞いた)
- 駅員の1日はどんなかんじ?
- 業務内容は?
駅員は改札で案内をしたり、きっぷを売ったりというイメージがあります。では、それ以外はなにをしているのでしょうか?
- 駅員の1日のスケジュール
- 徹夜(泊まり)の業務内容を紹介
この記事を読むことで、他のサイトには書かれていない、駅員の1日のスケジュールがわかります。現役の鉄道員が紹介するので、ほかの記事より絶対に参考になります。
※鉄道会社によって業務内容は異なるのでご了承ください。
駅員の勤務体系
基本的な勤務体系は徹夜と日勤の2種類で、メインの勤務は、24時間勤務の徹夜です。
徹夜のことを、泊まり、夜勤ともいいます。
徹夜は、初電担当の早番、終電担当の遅番にわかれます。乗降の多い駅だと中番もあります。
日勤はいわゆる9:00〜17:00です。次のような人が日勤をします。
- 徹夜をやらない人(所長、副所長、庶務など)
- 徹夜ができない人(育児、心身の理由など)
- 徹夜の前半だけ(前半日勤)
- 徹夜の後半だけ(後半日勤)
- 増員が必要なとき
- 契約の都合(定期券担当のパート)
- 研修、教育
この記事では徹夜に注目して紹介します。
早番
早番のスケジュールをかんたんに紹介します。
時間 | 内容 |
---|---|
9:00 | 点呼 |
11:00 | 昼食 |
14:00 | 休憩 |
17:00 | 夕食 |
20:00 | 休憩 |
22:00 | 勤務終了、仮眠 |
4:00 | 勤務開始、初電準備 |
7:30 | 朝ラッシュ対応 |
9:00 | 退勤 |
9:00から翌日9:00までの24時間勤務です。
遅番
次は遅番のスケジュールです。
早番との違いは、寝る時間と起きる時間くらいです。
時間 | 内容 |
---|---|
9:00 | 点呼 |
12:00 | 昼食 |
15:00 | 休憩 |
18:00 | 夕食 |
21:00 | 休憩 |
1:00 | 終電対応、勤務終了、仮眠 |
7:00 | 勤務開始、朝ラッシュ対応 |
9:00 | 退勤 |
出勤時間は会社や勤務体系によって違います。
例えば、徹夜早番は6:30出勤、徹夜遅番は9:00出勤などです。
朝ラッシュの最中に引継ぎをすると慌ただしくなってしまいます。出勤時間は朝ラッシュの前後であることが一般的です。
初電終電の時間でスケジュールが変わります。
ターミナル駅の隣駅は、終電が早く、初電は遅くなります。逆に、終着駅や車両基地のある駅に近づくと、終電が遅く、初電は早くなります。
早番遅番の概念がない会社もあります。終電を全員で対応し、初電前に全員で起きます。
勤務管理が楽というメリットがありますが、睡眠時間は少ないためカラダがキツいです…
徹夜の詳細な業務内容
徹夜(早番)の詳細な業務内容を紹介します。
若手駅員、役職のない駅員、いわゆる一般的な駅員の1日を紹介します。窓口で案内をしたり、ホームで放送をしている駅員を思い浮かべてください。
モデルは中途採用、入社2年目、役職なしの鉄男さんです。
9:00 点呼
助役と出勤の点呼をします。
内容は体調の確認、当日の運行について、規則の変更、注意する案内、引継ぎ事項などです。
9:30 券売機の売上確認
券売機からお金を回収して売上を確認します。1円でも過不足があれば報告します。
1日の乗降が3万人の駅だと、1日300万円ほどの売上があります。乗降が10万人を超えると1000万円ほどの売上です。(目安)
定期券の更新時期は売上が増えます。乗降が多くても、乗り換えだけの駅だと収入は増えません。
- 2年目の鉄男さんはお金の管理を任されるようになりました。
- 1年目の駅員は改札で案内や特急券の発売をしています。
- 中堅の駅員は運転関係の書類整備や、遅延の放送をしています。
- 助役や庶務は、規則の改訂、勤務管理、消耗品の発注などをします。
11:00 昼食
券売機の売上確認は問題なく終わりました。
鉄男さんは早番なので、昼食も早めです。若い人はカップ麺、カップ焼きそば、パスタ、弁当、おにぎり、パンなどを食べています。
結婚している人は昨夜の残り弁当、おにぎりなどが多いですね。
昔の駅員は昼食も仕事のひとつでした。その名残で、うどんなどのかんたんな食事を作ってくれるベテラン駅員もいます。
わたしの先輩は100円でうどんを作ってくれました!
たまに値上げします笑
社員食堂のある会社もあります。
12:00 改札
ほかの駅員が休憩するため、鉄男さんが改札で案内をします。
乗り換え案内、定期券、特急券、道案内などです。
14:00 休憩
20分ほどの休憩です。
スマホをいじったり、お菓子を食べたりします。
14:20 改札
改札で案内をします。
スキマ時間でチラシやポスターの整理、掲示物の作成などをします。
若手駅員はかんたんな掃除をしたり、遺失物のチェックをしています。
駅(事務室)は家と同じなので、キッチンやトイレ、お風呂の掃除などが必要です。
清掃業者に委託している会社もありますが、若手駅員が掃除をすることもあります。
事務室では個人情報や現金を管理しているため、なるべく外部の人を入れたくないのです。
17:00 夕食
外食に行くこともあります。牛丼がコスパ良しですね。
ただし、駅員の人数が少ない駅だと、トラブル時に対応できないので外出はNGです。コンビニやスーパーくらいならOKです。
18:00 夕ラッシュ対応
ホームで案内放送をしたり、閉まらないドアの押し込みをします。
非常ボタンが押されたり、痴漢があったりと嫌な時間です。
若手駅員と交代で改札も担当します。
20:00 休憩
終わりが見えてきました。最後の休憩です。
就寝の準備などをします。
20:30 改札
ほかの駅員が休憩している間、改札を担当します。
22:00 終了
早番は終了です。シャワーを浴びて寝る準備をします。
もちろん駅に泊まります。家に帰ったら初電の対応をする人がいなくなります。
すぐに寝る人もいれば、休憩室でおしゃべりしたり、夜食を楽しむこともあります。
23:00 仮眠
個室の寝室もありますが、カーテン仕切りだけの寝室もあります。
いびきや物音が聞こえてきます。もちろん電車の音もよく聞こえるので、夜中に目が覚めることもよくあります。
ちなみに、遅番が寝るのは1:30〜2:00頃です。
3:40 起床
着替えてすぐに勤務開始です。
4:00 勤務開始
駅構内の巡回、ポイントの切替試験、機器類の電源を入れます。(エスカレーター、エレベーター、ホームドア、券売機、改札機など)
準備ができたらシャッターを開けます。シャッターが自動で開く駅や、シャッターの無い駅もあります。
4:30 初電
なにごともなく初電が通ると安心します。初電はいろんな駅で接続があるので、絶対に遅らせたく無いのです。
初電には市場に競りにいく鮨職人が乗っているから気をつけろ、と先輩から聞いたことがあります。
来客もすくないので改札には立たずに、奥でのんびりします。
7:00 遅番が起床
昨夜、終電対応をした遅番が起きてきました。
トイレなどに行ったら朝ラッシュの対応です。
7:30 朝ラッシュ対応
改札を大勢の人が駆け抜けていきます。誰もが急いでいる朝の駅。ピリピリとした空気が伝わってくるので、こちらも気を引き締めます。
窓口の案内もスピード優先です。この時間、お客さまは質を求めていません。電車に乗り遅れたらヤバい!それだけです。
ホームでは放送や押し込みをします。冬はダウンやコートで着膨れするので大変です。
痴漢、急病人、迷子、口論、踏んだ踏んでない、リュックが当たった、通路の奥に詰めない、足を広げている…
この世のトラブルを集めたのが駅です。
8:30 引継ぎ準備
交代の駅員が出勤してきました。もうすぐ解放されます。
気が緩んでミスをしやすい時間なので気をつけます。
9:00 終了
交代の駅員に引継ぎをします。こんなことがあったから気をつけて、忘れ物を取りにくるお客さまがいるからよろしく、などです。
最後に助役と点呼をして終了です。
9:30 退勤
着替えたりおしゃべりをしているとすぐに時間が過ぎてしまいます。
このあとはフリーです。1日休み?最高じゃん!最高じゃん!と思うかもしれませんが、寝不足でやる気は起きません。
そもそも休みではなく非番です。徹夜明け、明け、明け番とも言います。
飲みに行く人、パチンコに行く人、帰って寝る人、いろんな過ごし方があります。
午前10時くらいに、髪の毛に帽子の跡がついている、ダルそうな人がいたら駅員か警察官ですね笑
まとめ
この記事では、駅員の1日のスケジュール(徹夜)を紹介しました。
何もなければ休憩もしっかりとれるし、若手からベテランまでたくさんの世代と交流できる楽しい職場です。
平日の非番は最高です!役所もやっている、施設も空いてる、昼から酒が飲める!笑
次回は裏側を紹介します。駅員もあなたと同じ会社員です。馬鹿マジメにやってるわけがありませんよね。
それでは次の記事でお会いしましょう!