【ドローン事故から学ぶ】平成28年度無人航空機に係る事故トラブル等の一覧(国土交通省)
- ドローンの事故を知りたい
- ドローンは墜落するの?
ドローンの事故やトラブルは国土交通省に報告されています。先輩たちが残してくれたメッセージをムダにしてはいけません。
- ドローンの事故・トラブルを紹介(国土交通省に報告のあったもの)
- 事例から学べることを考察
- ドローン初心者
- ドローンの怖さをまだ知らない
平成28年度(2016)無人航空機に係る事故トラブル等の一覧から紹介
ドローンの事故やインシデントを発生させたときは、国土交通省に報告しなくてはいけません。
事故が発生するおそれのある状態のこと
平成28年度の報告件数は55件ですが、実際に報告しているのはごく一部でしょう。
- 一部の優良企業
- 報告せざるを得なかった事故
- 心から後悔している
この記事では報告書の中から、怖い…驚いた…そんなことある?といった事例を紹介します。
※無人航空機には飛行機やヘリコプターも含まれます。ドローンと同じ無人航空機として参考にしてください。
資料:平成28年度 無人航空機に係る事故等の一覧(国土交通省に報告のあったもの)
No.1 霧の中でフライト、モーターが誤作動
ヘリコプター、全長約2m、ローター直径約1.8m、最大離陸重量約15kg
- 地方自治体からの依頼による遭難者捜索の飛行を終え、帰投中に不自然な姿勢での飛行となり、手動操縦に切り替えようと試みたが制御できず、墜落した。
- 本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は30時間以上。
【原因分析】
天候判断を誤り、霧の中を飛行させた結果、飛行制御部などが水分により誤作動をおこしたものと思われる。
【是正措置】
- 降水や霧の場合は飛行を行わない。飛行中もモニターにより天候監視を行い、降水や霧が確認された場合は帰還させる。
- 機体を改良(防水処理)した。
雨はともかく霧もダメとは知りませんでした。
モーターは剥き出しなので、離着陸時の砂ホコリにも気をつけてください。
わたしはハンドリリース&キャッチを基本にしています。
No.10 プロペラが外れる
マルチコプター、プロペラ除く直径約40cm、最大離陸重量約1.3kg
- 空撮測量のため、飛行させていたところ、機体からプロペラが外れ、墜落した。
- 本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は20時間以上。
【原因分析】
プロペラのモーター部に砂などが入り込み、飛行中の回転ムラ等によりプロペラが緩んで脱落したと思われる。
【是正措置】
- 離着陸時に砂などを巻き上げないよう舗装面を除き、敷板を置いて離着陸を行う。
- 飛行前点検においてモーターに砂などが入り込んでいないか確認し、飛行後はエアーブローを行うなど機体点検項目を追加した。
離着陸時の砂ホコリ対策には、ハンドリリース&キャッチがおすすめです。
プロペラのネジも定期的に締めましょう。
No.19 高温環境でバッテリーが逝かれる
マルチコプター、プロペラ除く直径約60cm、最大離陸重量約3.4kg
- 空撮のため、飛行させていたところ、突然動作が停止し、墜落した。
- 本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は30時間以上。
【原因分析】
高温環境での飛行によりメーカーの規定する動作保証温度40度を超え、異常加熱によるバッテリーの出力電圧が低下したため動作が停止したものと思われる。
【是正措置】
バッテリー保管場所の温度管理、飛行中のバッテリー電圧、環境温度の監視などにより、メーカーが規定する環境温度範囲外で飛行させないことを徹底する。
炎天下、フライト前の状況、バッテリーの使用頻度に注意しましょう。
フライト直後のバッテリーをすぐに充電することもNGです。
バッテリーマニュアルにも目を通してみてください。
No.28 ミスト状の潮風でモーター故障
マルチコプター、プロペラ除く直径約90cm、最大離陸重量約8.2kg
- 空撮のため、離陸させたところ、離陸直後にモーターの異常が発生し、制御不能となり、墜落した。
- 本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は700時間以上。
【原因分析】
原因は特定できなかったが、海岸での飛行であったことからミスト状の潮風により、離陸前からモーターに何らかの故障が発生していたと思われる。
【是正措置】
- 海岸際などミスト状の潮風のある場所での飛行は控える。
- 離陸前にモーターが正常に起動していることを確認してから離陸する。
ドローンで海岸沿いを空撮…誰もが考えますよね。
剥き出しのモーターがここまで弱点とは知りませんでした。
ミスト状の潮風には気をつけましょう。
No.32 通行人に声をかけられ、目を離したら…
マルチコプター、プロペラ除く直径約40cm、最大離陸重量約1.3kg
- 空撮のため、飛行させていたところ、通行人から声をかけられ無人航空機から目を離した際に、建物の外壁に衝突し、墜落した。
- 本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は20時間以上。
【原因分析】
操縦者が飛行中に通行人からの呼びかけに対応するなど、操縦に集中できない状況下で飛行させたためと思われる。
【是正措置】
- 操縦者が操縦に専念できるよう操縦者の近くに補助者を配置し、補助者が第三者への対応を行う。
- また、飛行前の事前周知を行い、必要に応じ管理者等へも周知の協力を依頼する。
行き場のない感情をどうすれば良いのでしょうか…
目を離すなら操作も止めましょう。
おじさんには要注意です。
No.35 バードストライク
マルチコプター、プロペラ除く直径約70cm、最大離陸重量約6.5kg
- 災害時防災訓練のため、無人航空機を飛行させていたところ、突然墜落し紛失した。
- 本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は130時間以上。
【原因分析】
ハヤブサが機体に衝突したか、または、山岳地帯の吹き上げ風によりプロペラが外れた可能性があると思われる。
【是正措置】
- 双眼鏡などにより、飛行ルートに飛来物体があった場合は飛行を取りやめ、飛行中の場合は帰還させる。
- 点検整備項目にプロペラがしっかりと固定されていることを確認するよう飛行マニュアルの改正を行った。
これはどうしようもないですね…
とりあえず山岳地帯は要注意です。
鳥が写ったときは刺激してはいけません。
No.43 操縦者の操縦経験は0時間…
マルチコプター、プロペラ除く直径約40cm、最大離陸重量約1.4kg
- 趣味のため、飛行させていたところ、操縦不能となり、紛失した。
- 本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は0時間。
【原因分析】
現在確認中
【是正措置】
現在検討中
0時間で墜落&紛失…かなしすぎます…
あなたはドローンを続けているのでしょうか…?
報告してくれてありがとう泣
事故の原因
事故の直接的な原因 | 件数 |
---|---|
操縦ミスによる接触 | 20 |
天候不良、砂など | 8 |
通信ロスト | 6 |
機体トラブル | 5 |
制御不能 | 5 |
整備不良 | 3 |
自動帰還(RTH) | 2 |
バッテリー低下 | 2 |
鳥など外的要因 | 2 |
航空機(ヘリなど)との接近 | 1 |
不明 | 1 |
次の3点に気をつければ多くの事故を防ぐことができます。
- 操縦
- 天候
- 通信
操縦ミスを防止するためには、ドローンの飛行練習が効果的です。
旋回や8の字などの基本操作を身につけてから空撮に挑みましょう。
いきなり山・川・海で飛ばすと墜落します。
まとめ
この記事では、平成28年度(2016)の報告書からドローンの事故やトラブルを紹介しました。
自損や物に衝突する事故を紹介しましたが、近年ではプロペラでケガをしたり、人に墜落するといった事故が増えています。
ドローンはおもちゃではなく航空機
すこしでもドローンの怖さが伝わればなによりです。
ありがとうございました!