【ドローン事故から学ぶ】令和3年度無人航空機に係る事故トラブル等の一覧(国土交通省)
- ドローンの事故を知りたい
- ドローンは墜落するの?
ドローンの事故やトラブルは国土交通省に報告されています。先輩たちが残してくれたメッセージをムダにしてはいけません。
- ドローンの事故・トラブルを紹介(国土交通省に報告のあったもの)
- 事例から学べることを考察
- ドローン初心者
- ドローンの怖さをまだ知らない
令和3年度(2021)無人航空機に係る事故トラブル等の一覧から紹介
ドローンの事故やインシデントを発生させたときは、国土交通省に報告しなくてはいけません。
事故が発生するおそれのある状態のこと
令和3年度の報告件数は139件と年々増加していますが、実際に報告しているのはごく一部でしょう。
- 一部の優良企業
- 報告せざるを得なかった事故
- 心から後悔している
この記事では報告書の中から、怖い…驚いた…そんなことある?といった事例を紹介します。
※無人航空機には飛行機やヘリコプターも含まれます。ドローンと同じ無人航空機として参考にしてください。
資料:令和3年度 無人航空機に係る事故等の一覧(国土交通省に報告のあったもの)
No.23【海面を低空飛行】センサーエラー
DJI社製、MAVIC AIR
- 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、操作を誤り機体が海上に墜落し、紛失した。
- 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
【原因分析】
下部障害物センサーの機能を用いて、海面を低空飛行させていたところ、陸上部におけるセンサーの使用と異なる動きになったことから、海上に墜落させてしまった。
【是正措置】
- センサーの機能を適切に把握する。
- 目視での確認も適切に行う。
電波は反射します。海面の複雑な動きで電波障害につながったのでしょう。
高度の下げすぎは禁物です。
No.29【発信機と干渉】GPSエラーで操縦不能
DJI社製、MAVIC Mini
- 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、GPSエラーで機体が操縦不能となり、山中において機体を紛失した。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
【原因分析】
- GPSエラーの為、離陸地点でホバリングする機能及び送信機のコマンドを受け付けないエラーが発生した。
- なお、機体下部に別途、発信機を装着していた。
【是正措置】
- 飛行前点検を確実に行い、GPSの捕捉が十分でない場合は離陸を行わない。
- 装備品は適切なもの装着する。
離陸時点でエラーがあったのに、なぜ飛ばしたのでしょうか?
疑問があるときは飛ばしていけません。
No.43【農薬散布】電線に接触、宙釣りに
ヤマハ発動機社製、ヤンマーAYH-3
- 水稲防除作業のため無人航空機を飛行させていたところ、電線に接触し機体が電線に引っ掛かって宙づり状態となった。
- 本件事案による人の負傷はなかった。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上
【原因分析】
- 電線越える飛行を行うとしたところ、地上の車に意識が向き、電線に接触した。
- オペレーターとナビゲーターの連携が行えていなかった。
【是正措置】
- 散布時には電線・電柱を越えない飛行を行う。
- 飛行の計画を念密に行う。
農薬散布で多いのが電線との接触です。
今回はなんと宙吊り…
どうやって回収するのでしょうか…
No.44 【高気温】バッテリーが膨張して外れた
DJI社製、MAVIC 2 ENTERPRISE
- 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、プロポと機体間の電波ロストにより操縦不能となり墜落し、紛失した。
- 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
【原因分析】
フライトデータについて確認したところ、航行中に突然電圧がゼロになっていたことから、当日の気温を勘案すると、航行中にリポバッテリーが膨らみバッテリー装着部から外れた可能性がある。
【是正措置】
- リポバッテリーの使用については、以下を徹底する。
- 飛行前点検時にリポバッテリーに異常がないこと及びバッテリーが装着部にしっかりと装着されていることを確認してから飛行する。
- 外気温が高く、直射日光があたる環境下で使用は極力控える。
- リポバッテリーに少しでも膨らみや違和感を感じたらそのリポバッテリーは使用しない。
劣化したリポバッテリーは危険です。
わたしは3個のバッテリーを順番に使用しています。
No.47 【飛行中に操縦モードを変更】操作を誤り墜落
DJI社製、MAVIC 2 PRO
- 橋脚撮影のため無人航空機を飛行させていたところ、操作を誤り墜落し、水没した。
- 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
【原因分析】
操縦者が飛行中、風による影響を考え不用意に操作モードを変更したことによるもの。
【是正措置】
操縦マニュアルの再確認及び飛行訓練の実施。
操縦モードをフライト中に変えるとは驚きです。
余計なことはやめましょう…
No.87【着陸時】風で煽られ補助者に接触
DJI社製、PHANTOM 4 PRO
- 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、着陸時に補助者に接触し、負傷した。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
【原因分析】
- 風が穏やかでもまた強まる可能性があることや、地上で風が弱くても上空では強風の可能性があることの風の特質について認識が不足していた。
- プロペラガードの保護機能について過大評価をし、プロペラの殺傷能力について過少評価を行っていた。
【是正措置】
- 風速計による平均風速が5m/s以上の場合にはドローンの飛行を中止する。
- ドローンの離発着時は補助者を含めドローンと5m以上の距離を確保する。
離着陸時は無意識に機体に近づきたくなります。
心配ですもんね…
でも、それが危険ということを認識しましょう。
No.89【谷地形】GPS環境悪化
DJI社製、MAVIC 2 ZOOM
- 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、操縦不能となり河川に墜落し、紛失した。
- 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
【原因分析】
- 飛行範囲が谷地形であったため、一部の範囲でGPS受信状況が悪く、自立姿勢制御が機能しなくなった。
- 操縦経験が浅く、自立姿勢制御が機能しなくなったドローンの操縦に対応できなかった。GPS受信状況による墜落のリスクについて十分理解できていなかった。
【是正措置】
- 飛行範囲が谷地形となる場合、GPS受信状況が悪くなる可能性があるため、十分な操縦経験がある者を操縦者とする。
- 操縦経験の浅い者は、人や建屋など障害物がない個所を選定した上でドローンを操縦する。
- 類似設備を持つ事業所に対して、墜落の経緯やリスクについて情報共有を図る。
山、谷、崖、など複雑な地形だと、GPSが不安定になります。
撮影した撮影で、電波状況が悪くならないように対策しましょう。
No.107【風速15m/s】錐もみで墜落
株式会社ACSL、蒼天
- 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、機体が錐もみ状態に陥り森林に墜落し、紛失した。
- 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
【原因分析】
機体の対気速度上限は15m/sであり、ログ分析の結果から墜落直前にこの上限に近い環境であったことから、強い突風が吹いたことが予想され、耐え切れずに墜落した模様。
【是正措置】
環境変化(厳しい 突風)が発生したために 機体の姿勢を維持できなくなり墜落に至ったことから、 対突風性能向上に寄与するローターの回転変化率の上限値を向上させる仕様変更を実施した。
No.108【センサーオフ】スポーツモードで衝突
DJI社製、AIR 2S
- 海水浴場において空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、目視外になった際に崖に衝突し、海に水没後に紛失した。
- 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
【原因分析】
都度目視で確認は行っていたが、目視外になった際に衝突してしまった。障害物センサーが付いているがスポーツモードでは自動的に解除される仕組みになっており、当該モードにて飛行していたことも事故を防げなかった原因の一つと考えられる。
【是正措置】
目視外での飛行はなるべく避ける(被写体を撮影するときはマスターショット等DJIの機能を使用し機体から目を離さない)常に障害物センサーが作動する設定で飛行する。
No.110【GPSが微弱】回避行動できず墜落
DJI社製、MAVIC 2 ENTERPRISE
- 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、機体との通信が途絶え墜落し、紛失した。
- 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
【原因分析】
- 機体には障害物検知もついているほか、RTH機能も備わっているため、如何なる状況であっても自動帰還してくれるものと誤認していた。
- 事故後製造元メーカーに確認したところ、GPS信号が微弱な状態で障害物を検知した場合、回避飛行が行えずその場で停滞してしまうことがあるとのことで、この現象に対する理解が不足していた。
【是正措置】
- 目視外飛行を行う場合は、極力目視外飛行を避けるような飛行ルート及び監視員配置等を検討し、危険と判断される場合は飛行を断念する。
- 社内の操縦者に対して、ドローンの性能、操作方法の他、紛失その他事故事例等について、定期的に教育訓練の場を設け、危機意識の向上と共有を図る。
- 今回は送電線や無線基地局等が存在しない地域であったが、基地局マップ等による事前確認を徹底する。
No.111【高度低下に気づかず】海に着水、紛失
DJI社製、Phantom 4 PRO 2.0
- 海上にて空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、自機の高度が下がっていることに気づかず海面に着水後、紛失した。
- 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
【原因分析】
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【是正措置】
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No.130【高度2300m】制御不能
株式会社アトラックラボ社製、AT_Quad18
- 機体性能試験のため無人航空機を飛行させていたところ、海上において高度3000mまでの垂直上昇中、高度2300m付近で突如制御不能となり、海上に墜落し、紛失した。
- 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
- なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。
【原因分析】
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【是正措置】
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事故の原因
事故の直接的な原因 | 件数 |
---|---|
操縦ミスによる接触 | 78 |
通信ロスト | 25 |
天候不良(風、砂など) | 11 |
制御不能 | 6 |
センサーのトラブル | 5 |
機体のトラブル | 4 |
不明 | 3 |
バッテリー低下 | 3 |
自動帰還(RTH) | 2 |
バッテリーのトラブル | 1 |
鳥などの外的要因 | 1 |
次の3点に気をつければ多くの事故を防ぐことができます。
- 操縦
- 通信
- 天候
操縦ミスを防止するためには、ドローンの飛行練習が効果的です。
旋回や8の字などの基本操作を身につけてから空撮に挑みましょう。
いきなり山・川・海で飛ばすと墜落します。
まとめ
この記事では、令和3年度(2020)の報告書からドローンの事故やトラブルを紹介しました。
避けようのない事故にも見えますが、どこかにサインがあるはずです。ちいさな違和感を大切にしてください。
ドローンはおもちゃではなく航空機
すこしでもドローンの怖さが伝わればなによりです。
ありがとうございました!